迷子警報。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

冬の日のあたしとロマンスの神様と。


神様なんていない。
特に、ロマンスの神様なんて。

そりゃ、毎年初詣には行くし、去年だって近所の神社に合格祈願に行った。
そのおかげかどうかは知らないけど、こうして高校生として冬を迎えられた訳だけど。

でも。

それとこれとは話が違う。
断じて違うと言い張る。
だって
ロマンスの神様がいるのなら、


告白三連敗なんて惨めなことになるもんか!!


友達は慰めてくれたが、三連敗は三連敗。
視界に幸せそうなカップルが目に入る度に泣きたい衝動に駆られる。
振られた後泣いていたせいで、いつもより一本遅い電車に乗ると、着いたのは三番線だった。
階段の上り下りが今日ほど嫌な日は人生初だ。
それに加えて。
田舎の「一本遅い電車」は、三十分以上遅い訳で。
いつもなら日が沈みきる前に駅に着くのに、今日はもう真っ暗だ。
加えて、今日は両親が外出していて居ない。
誰も迎えに来ないから、
歩けない距離じゃないが微妙に駅から遠い自宅まで、真っ暗な田舎道を歩いて帰らないといけない。

「最悪」

やっぱり神様なんていない。
今日は厄日だ。
重たい鞄を背負い直して、人の波に流されて階段を上る。
階段を上りきったところで、大きなため息をつく。
幸せには、とっくに逃げ切られてるので、出し惜しみしずに吐き出したら、真っ白だった。

そろそろ雪でも降るんじゃないだろうか。

…まぁ、あたしには一緒に雪を眺めてくれる人なんていないので、どうでもいいのだが。
どんどんマイナスに傾く思考。
これじゃダメだ、と頭を軽く左右に振ると、幸せそうなカップルが目に入った。
あれ…涙で霞んで何にも見えないや。
そう、思った瞬間。



ずるっ



「え?」



足が滑った。身体が傾く。

ヤバい。


落ちる…っ!!!



死にたくない!!!

「ぐぇ」

我ながら、なかなか女の子らしくない気持ち悪い声が出た。
何が起こったのかよく分からないが、あたしは落ちなかった。
代わりに首根っこを掴まれたのだが。
そのままズルズル引っ張られて、すっかり人が減った連絡通路の隅っこに辿り着く。
どうやら、誰かが首根っこを掴まえて助けて此処まで連れてきてくれたらしい。



……どうせ助けてくれるなら、もう少し優雅にかっこよく助けて欲しかったものだ。
でも、助かったのだから文句は心の中にしまっておこう。
とにかくお礼…、と思って助けてくれた人の顔を拝見。

「大丈夫か?」





………やだ、イケメン。





あたしが通う高校の近くにある男子高の制服を着ている。
ネクタイの色をみるに、同級生のようだ。

「あ、えっと…助けてくれて、ありがとう」
「いや、いいけど。つか、何であんた泣いてんの?」

…そうしえば、自分の可哀想な身の上を嘆いて泣いてたんだった。
しかし、こんなイケメンに可哀想な身の上を語るのはあたしの些細なプライドが邪魔をする。

「あ…っと、今日色々あって、いつもより遅い電車になっちゃったんだけど、今日親が迎えに来れなくて。だから家まで歩いて帰らなきゃいけないんだけど予想以上に暗かったから…」
「不安になった?」
曖昧に頷く。
なかなか上手く誤魔化せたじゃん、自分!とか悦に浸ってると
「…送ってやろうか?」
幻聴が聴こえた。

こんな少女マンガ的展開が現実に起こるわけないじゃん。

やだなー、あたしってば幻聴まで聴こえるなんて。

でも一応聞き返しとく?

「あの…何て?」
「いや、迷惑だったら、いいんだけど。最近不審者とかうろついてるらしいから、送って行こうか?」
これは都合のいい夢か。
「い、いいの?」
「俺ん家遅くなってもうるさくないし。むしろ女子を一人で暗い道帰したなんて知られたら殺される」
真顔で言うから思わず笑ってしまった。
「お願いしますっ!」
「…おう」
あたしから微妙に視線を反らしてから返事が返ってきた。
短い髪からのぞいた耳が妙に赤いのは寒さのせいなのか、自惚れていいのか。

どっちにしろ


ヤバい、ときめいた。


まだ失恋の痛みは残ってるけど
すぐには切り替えられないけど

ロマンスの神様、
チャンスをくれて
ありがとう。

スポンサーサイト

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。